コーヒーの健康効果
コーヒーは健康に良いとか悪いとか、いろんな意見をみなさんも耳にしたことはあるのではないでしょうか!
でも、カフェイン以外の成分もよくわからないしそもそもカフェインもどんな効果をもたらすのでしょうか。
ということで、しっかり調べて検証している専門家の意見を参考にしてみようと思います!
コーヒーの成分分析
今回は主に、同志社女子大学の生活科学部さんの文献を参考にさせていただきます
コーヒーに含まれる主な生理活性物質は,クロロゲン酸類(コーヒーポリフェノール)とカフェインです!
コーヒーポリフェノールは、血中と肝臓中のトリグリセリド(TG=中性脂肪)とコレステロールの減少作用,抗肥満作用(脂肪燃焼),抗酸化作用,血糖降下作用など。1)2)
カフェインは抗肥満作用などが報告されています。
つまりコーヒーには肥満予防や、動脈硬化・内臓脂肪改善等に効果がありそうです!
コーヒーポリフェノールは熱に弱いため焙煎時間が増えるほど減少する傾向があります。3)
一方、カフェインは熱に強く、焙煎後もほとんどコーヒー豆に残る上、焙煎によるコーヒー豆中の水分減少により相対的にカフェイン含有割合が増加します。
焙煎度の違いで比較!
浅煎り豆(1gあたり) | 深煎り(1gあたり) | |
コーヒーポリフェノール | 22㎎ | 3.5㎎ |
カフェイン | 19㎎ | 24㎎ |
コーヒーポリフェノールの量を比べると…1gあたり、浅煎りの豆には約22mg、深煎りの豆には約3.5mgと、浅煎りの方が約6.5倍多い結果です!
カフェイン量を比べると…1gあたり、浅煎りの豆には約19mg、深煎りの豆には約24㎎と、深煎りの方が約1.3倍多い結果です!
つまり、
浅煎りだとコーヒーポリフェノールが多く、カフェインは少ない
深煎りだとコーヒーポリフェノールが少なく、カフェインが多い
といった傾向があります!
浅煎りと深煎りコーヒーの成分で脂肪や血糖値に影響は?
ラットに対して、浅煎りと深煎り成分を含んだ食事をしてもらった研究結果1)では、
※コレステロール添加食投与ラットの肝脂肪蓄積に及ぼす焙煎度の異なるコーヒー豆抽出物の影響 P39より抜粋
血液中のTG, コレステロール量は,浅煎り群で5.3%減少、深煎り群で約2%減少!深煎り群は肉眼的にも脂肪肝の抑制が認められたそうです!1)
血中の脂質減少率は浅煎りが高く、肝臓への脂肪抑制効果は深煎りの方が強いようですね!
対して、血糖値に関してはコーヒー成分の有無に関わらず影響はあまりないようでした。
ラットの体重も、通常の食事を摂取した群と比べて著変なし、という結果でした。
まとめ
今回の参考文献をもとにすると、
- コーヒーには(血中)中性脂肪、コレステロールの減少効果がある。特に浅煎り
- 肝臓の脂質量を減少する効果がある。特に深煎り
- 血糖値や体重に大きな影響はない
という結果でした!
コーヒーを飲むだけで血中TGやChoが減少するのは面白いですね!
コーヒーはおいしい上に、健康のサポートをしてくれるということがわかりました♪
とはいえ、カフェインも摂りすぎは毒ですし、一番は食べ過ぎないで運動をする、ということが大切なんでしょうか。
それでは、今後もよいコーヒーライフを!
参考文献:
1.コレステロール添加食投与ラットの肝脂肪蓄積に及ぼす焙煎度の異なるコーヒー豆抽出物の影響(Effects of the extracts of coffee beans roasted at different degrees on liver fat accumulation in rats fed cholesterol-added diets) 同志社女子大学生活科学 Vol . 53, 36~44(2019)
2.長尾知紀, 落合龍史, 渡辺卓也, 片岡潔, 小御門雅典, 時光一郎, 土田隆「コーヒー飲料の継続摂取による肥満者の内臓脂肪低減効果」(『薬理と治療』第37巻第4号 333-344)
3.中林敏郎,真野三蔵:コーヒーの品質に関する化学的研究(第 2 報) 焙煎コーヒー中のクロロゲン酸類の新定量法,日本食品工業学会誌,22(11),545-548(1975)
4.日本消化器病学会編:NAFLD/NASH 診療ガイドライン 2014,南江堂(東京),2014